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法17条地図作製作業にまつわる泣き笑い
≫徳島協会の場合 《17条地図作製作業も追い込みに入ったとのことですが、今日はこのプロジェクトに参加している皆さんからまだ湯気の上がっている体験談を聞かせて下さい。まず参加の動機は? Aさんどうですか》 A:徳島支所で希望者を募ったところ誰も手を挙げないので頭にきて、「一人でもやってやる」と言ったのがきっかけ。 B:作業地区内に私の自宅も有り、プロである私が自分の土地の分筆が出来なかった悔しさがあったのと、この作業を通して地域に貢献できると思ったからです。 C:私は住宅ローンを返したかった。(笑) D:大規模な地図混解消を経験したかった。 《実際にやってみてどうでした?》 B:他県では「家庭争議にもなった」なんて大袈裟なと思っていましたが、あの話は本当なんだと実感しました。 A:大見得をきりましたが、くどき落として7人のプロジェクトチームを編成した。作業量からはきついと思ったが、配分金額を考え、小人数としたのが結果として抜群のチームワークを発揮した。 C:いや、そんな格好いい事でなく、一人でも足踏みしてると全体が止まってしまうので泣きながらやっただけですよ。 D:私も今は一生一度の経験としたい心境。 《現場での苦労話をどうぞ。》 D:今夏の異常気象で長雨とその後のカンカン照りの中、週3日づつ昼間は立会・夜は10時まで現場事務所で整理作業、連日13時間はさすがにバテた。 A:蜂や毛虫にも往生したな。急傾斜の山腹に密集する住宅地の為、境界の現地明示が困難な上、地価も高いので利害が対立してなかなか確定に至らなかった。 B:関係住民も地図混で日常困っているので作業の必要性は理解しているんだが、ともすれば利害関係が人間関係の問題になってしまう。 C:それにしても事前に町内会の役員と何回も会って、理解と協力方を取り付けていたんだが、地元説明会の段階になって、一部町内会では役員から住民への説明が何らされておらず理解を得るのに苦労した。 《法務局との関係についてはどうですか》 A:職員の個人差はある程度仕方ないとしても、人によっては実施機関は法務局なんだという認識に欠けているのではないか?としばしば感じてしまった。 B:本省や法務局幹部が如何に17条の事業が法務省としての重要な位置付けにあるかを言われても、全ての職員にその認識が浸透しているとは思えない。 C:職員研修の為か支局出張所から交代で1日くらいづつ現場に来ても何もできない、使命感がなければ楽しようとするだけだ。 D:お前等は金儲けの為にやってるんだろうから、それを職員が助けるのは馬鹿くさいとまさか思っているんではないでしょう。 《相当辛辣ですね。お金のせいも有るのと違いますか》 B:正直言って大いにあります。従前よりアップしたとはいえ、この金額は田畑農耕地域では可能かもしれない。特に立会や測量費の法務省単価は極端に安い。しかし困っている住民を常に見ているから使命感でやってます。一寸カッコ良すぎるかな。まあ半分はヤケッパチみたいなもんですが。 A:積算の根拠をどこにおいているのだろう。他の官公署と比べ低単価すぎる。実体と遊離して形式的に整えられた書面を論拠に正当適切な契約というのは正常ではない。 企画立案に係わる者は100遍の机上の論議よりも、一度でも現場に出て事業を完遂してみると良い。何が大変で何が大切かが解り、本当に血の通った行政ができる筈だ。 C:住宅ローンどころか金銭的にはもう諦めの境地です。それでも地図混等で困っている住民に窮状を訴えられるとプロとして責任を感じるんですよね。国の事業計画に乗って、できるだけ軽い負担で問題解決してあげられたらと思う。局側もこの事業による受益者を巻き込んで腹を割った予算的協力要請を積極的にしてもよいのではないか。 D:大袈裟なようだが使命感や犠牲心に頼っていては事業としては決して長続きしない。ただ、今はこれを早く終わらせたい。 《厳しい話ばかりになりましたが、最後に良かったこと、楽しかった事は何かありませんか?》 B:現場事務所の冷蔵庫は常時ビールで満杯にしておいて何時でも飲み放題、ガバガバ飲んで、どんなにきつくても笑いの絶えないよく働くチームでした。 C:住民の中には親切にしてくれる人もいて、家の冷蔵庫のものを全部振る舞ってくれたりして・・・涙が出ましたよ。一事務所での業務では経験できないチームによる作業が本音で話せる連帯感を生んだ。 D:思いっきり飲んだビールの味が忘れられない。いい気持ちで寝込んでしまったこともあったかな。(笑) A:この作業を通じて住民にもまたあえて法務局職員にも17条地図の重要性を理解してもらいたかった。国調地図をいとも簡単に17条に指定してしまっていることの危険性を警告したかった。少しは効果があったと思う。個人的には調査士として何か一つ歴史を造りたかった。・・・かな。 《先般NHKのクローズアップ現代で取り上げた境界確定問題は住民も高い関心で見てたようです。当事業について徳島新聞の記者に話したところ、記事として大きく掲載されたのはご承知のとおりです。お金を使わず効果抜群の広報ができました。大変ですが有終の美を飾って下さい、期待しています。今日は有り難うございました。》 「土地家屋調査士」 1998 11月号 公嘱協会情報 Vol.17 より |
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登記と実態に著しい差
混乱解消へ新地図作製 調査士協会着手 徳島市八万地区 徳島県公共嘱託登記土地家屋調査士協会(川原睦久理事長、116人)は本年度、登記上の地図と現地の実態とが大きく異なる“地図混乱地域”として有名な徳島市八万町の下福万、上福万、中津浦、中津山、福万山(城南台団地)の一部地域について新たな地図を作製する。放置すれば、将来的に境界争いなどの問題を引き起こす可能性があることから、法務省の地図作製事業を受託する形で作業に乗り出した。 今回の作業は、徳島地方法務局が作製・保管している同地域の土地の位置や形状を示した図面(公図)が正確でないため、法務省から地図の作製を委託された同協会が、正確な公図を作り直すというもの。協会は法務省からの委託費2,500万円と、関係住民の協力金で作業を進めることにしており、既に地元説明会などに入っている。 地図作製の対象面積は0.13平方キロメートル、家屋数約400戸、地権者約800人。都市計画法が施行される1971(昭和46)年以前に開発されたことや、開発当時に土地の境界確認が十分にできていなかったことから▽登記簿に地番が記載されていても公図にその地番がない▽実際に土地があっても公図に入っていない▽共有道路が登記簿上は個人の財産になっている−などの不備が数多くあり、このままでは「個人財産が明確でなく、住民が転売するときなどに必ず問題が生じてくる」(山本正・同協会副理事長)という。 今回の公図改正は、95年11月に関係住民が徳島地方法務局へ陳情したことが発端となった。同協会では「地図の作製完了は来年3月末の予定となっている。より多くの関係者の理解をいただきたい」と話している。 平成10年9月12日(土)徳島新聞夕刊掲載記事より |
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