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輝け!12の瞳
私の世界の中心は伊島である。その世界の中心から「伊島のあい」をお届けできればと思う。伊島小学校は 四国最東端蒲生田岬から海上約六キロメートル東に位置し、阿南市答島港〜伊島港を定期船が一日三往復している。島民は一九四名、八十世帯が漁業を中心に生計を立てている。港の近くに位置する本校はへき地三級に指定されており、県下に三級の小学校は三校しかなく、県南では唯一の学校である。児童数は六名、教員も六名全員が教員宿舎に泊勤している。教頭・事務職はいないので、校務分掌等仕事の内容は幅広い。また、勤務は土曜の朝伊島を出、日曜の夕方帰島することや、波や風の関係で欠航も多いなど、へき地三級に値する困難を有する。
一 伊島大好きっ子に
一年一名、二年一名、三年三名、六年一名、計六名の子どもたちの瞳がキラキラと輝いてほしいと願い、年度当初に「輝け!十二の瞳」という学校スローガンを掲げた。この目標達成のためには、まず、自分の足元をしっかりと固め、自分を、伊島を、誇りに思える人間になることが大事であると考えた。
そこで、伊島の自然や伝統、地域の方から自らの体験を通して学ばせたいと考えた。本島には「イシマササユリ」という固有の美しいユリが自生している。その保護・調査・研究に中学生とともに六年生が取り組んでいる。四年前から採取をやめ本数調べを継続して行っているが、年々本数が増えているのはうれしいことである。またこの調査や保護に島の老人会・婦人会・町会の方々・新野高校が協力してくださっており、島をあげて活気付くときでもある。五月末から六月初旬にかけて、薄ピンクに咲くササユリを見に、伊島に足を運んでいただけたらうれしい限りである。
また三年生は「伊島海の調査隊」を結成し、保護者や島の方々の協力のもと、まず、海の生物から調査を始めている。調査を進めていくと、豊かな伊島の資源を受け取り、父親たちがそれによって生計を立てていること、母親が色々な料理を工夫してくれていること、おばあちゃんたちが作る伝統料理など調査のゆくえが楽しみになっている。さらに全校生徒・中学生・老人会の方々との交流会など、島から学ぶものはたくさんある。
二 思いを伝えられる子に
本校の子どもたちの中に一番育てたい力が表現力・コミュニケーション力である。少人数がゆえに言葉に頼らなくても相手に通じる場合がよくある。しかし、子どもたちが成長し高校・社会と出たときに通用する表現力をつけたいと願う。そのために、保育所に訪問して読み聞かせをしたり、市外の小学校と交歓学習を行ったり、老人会とのふれあい交流会で劇を上演したりしている。また、人前で話す体験を増やすために毎週朝会で自分目標や先週の反省を述べている。相手に伝える力を多様な場面で機会を作り表現力を養っている。大勢の中にあっても、自分を見失わず、しっかりと自分の思いを伝えられる子に育ってほしいと願う。
三 地域とともに
島民は「子は島の宝」と地域全体で児童の育成を温かく見守り育ててくれている。島の子が悪いことをしていると見た人がその場で叱ってくれ、その後の温かい言葉がけも忘れない。夕方になると漁を終えたお父さん方が島の子を集めて野球をするほほえましい様子が見られる。島の子どもたち全員がすくすく育つことが島全体の願いであり発展なのである。
そのため、私たち教職員は、保護者や地域の方々の願いをしっかりと受け止め、私たちの持てる力すべてを注ぎ込んで十二の瞳が輝くよう努めなければならない。伊島の「あい」は教職員・保護者・地域の方・連携している中学校等、子どもたちを取りまくすべての方々で形成され、守られ育てられているている。その「あい」を受け十二の瞳がますます輝かんことを願う。
校長 外山 永子
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